道は未知 / 大糸線利用で歩く塩の道

千国街道、千国古道、西廻り、塩尻へ

       中綱湖の山桜(2024.4.25)

千国街道 11-1 大町三蔵(市野屋・薄井商店・北安大國)

コース

・JR信濃大町駅⇒北安醸造:約20分(徒歩で直行した場合)

「12 信濃大町駅⇒簗場駅 編(追分から)」で簗場駅に着いた後、車で大町駅へ戻り、大町三蔵を巡るつもりでした。しかし、この日は歩き疲れて、お土産を買っただけで帰りました。

以下は、別日に再訪したときの様子です。

1 市野屋*1

「金蘭黒部」の酒樽が積まれています。創業1865年(慶応元年)の酒蔵「市野屋」*2さんです。

インターホン

お店に入ったのですが、とても静かで人の気配がしません。見回すとインターホンがありました。インターホンに向かって「お酒を買いたい」と話すと、「奥へどうぞ」と返事がありました。

通路

古い歴史を感じさせる建物の中を一人で通り抜けます。暗くて、「酒蔵探検」の気分になります。

売店

建物の中を通り抜けて左に曲がると、蔵の前に、本当に売店がありました。

こちらの売店には冷蔵庫に入った生タイプのお酒が揃っていました。

写真のカウンター上にあるお酒のリストを使って、店員さんが丁寧に説明してくれました。一般のお酒屋さんには置いてないお酒もあります。いいですね~。

でも、街道歩きの途中で、しかも酒蔵続き。買うのは軽くて小さい300ml瓶と最初から決めていました。でも300ml瓶は売り切れ。とっても残念。

「市野屋 ひとごこち純米吟醸原酒」

あとで本通りにある「いーずら大町特産館」*3で300ml瓶を購入しました。(300ml、税込640円)。

香りや風味は穏やかで、すっきりしています。酒米「ひとごこち」の特徴でしょうか。仕込み水は居谷里の湧水である「女清水」*4を使っているとのこと。女清水は軟水なので、柔らかくて飲みやすいそうです。

お水とお酒のイメージが重なります。大町に相応しいお酒だと思いました。

このお酒は、いつの間にかたくさん飲んでしまいそう…。

2 薄井商店*5

「創業明治39年。銘峰白馬三山にちなんで『白馬錦』と銘名しました。」*6

入口

駅前の本通りより一本東の通りから入ります。「お酒売って〼」の看板が嬉しくなります。

事務所兼売店

敷地へ入ったところはまるで倉庫か工場のようです。この日は大きなトラックでお米(新米)が運び込まれていました。

「入ってもいいのかな~?」と案じながらも、「事務所」の小さな看板が見えますので、とにかく、そこまでは行ってみます。

「お酒のご購入はこちらへ」と、ちゃんと看板が出ています!

売店

サッシのドアを開けて中に入ると、確かに事務所。

でも、店員さんが来てくれて、お酒の陳列棚を見せてくれました。なかなかよい景色です。

「アルプス湖洞貯蔵 瓶囲い秋熟」

「新酒はまだなので、この時期ならひやおろし!」ベテランそうなお店の方の一押しのお酒。(300ml、税込935円)

春絞った純米吟醸に一度だけ火を入れて瓶詰めし、七倉ダム方面のトンネルでひと夏寝かせて熟成させたという凝ったお酒。

栓を開けるとよい香りがします。少しだけ辛口な感じで、すっきりしたきれいなお酒ですが、ほんのりとしたふくよかさもあります。

瓶のラベルに飲み頃温度が「10℃、40℃」と書いてありましたので、ぬるめにお燗をつけてみました。味わいが深くなり、でもとても滑らかでした。ひやおろしはお燗が合いますね。

3 北安醸造*7

「大正12年、塩の道千国街道と善光寺へ通ずる街道の分岐に鎮座する七尺にも及ぶ大黒天に肖り『大國正宗(だいこくまさむね)』と銘じて清酒製造開始」*8とのこと。

入口

お店の入り口には軽バンが突っ込んでいました。すごい!

酒林・鬼瓦

新酒の完成を知らせる真新しい緑の杉玉(酒林)がキリっとして誇らしげです。鬼瓦には「酒」の一文字。かっこいい!

店内

お店に入ると、まるで倉庫のよう。新酒の出荷に追われている最中でしょうか。活気の感じられる酒蔵です。

只今晩酌中のご夫婦

お酒の陳列棚に置いてあるご夫婦の像に目を奪われました。

ねじり鉢巻きの、いかにも働き者で酒好きそうなオヤジさん。つつましく正座した奥さんがふくよかな笑顔でお酌。

盃で受けるオヤジさんの目線と表情に思わず微笑んでしまいます。

お酒のある幸せなひととき…。

「しぼりたて生原酒」

店員さんのおすすめ。「新酒。今年は特に出来がよく、マスカットのような味がします」とは、若い女性らしい表現だと思いました。(300ml、税込605円)

11月26日から販売を開始したばかりの新酒。ラッキー!

いわゆるフルーティーな(華やかな)お酒を想像していたら少し違いました。まず、香りはあまり強くありません。でも、口に含むと、濃厚で上品なぶどうジュースのような味わいが確かにあります。

「原酒」なのでアルコール19°とのみごたえあり。後味に「しぼりたて 生」のシュワシュワ感があり、日本酒度ー6度なのに甘すぎません。

個性があってとても美味しいお酒でした。

 

三蔵とも、それぞれのお店やお酒に個性があって、蔵巡りは本当に楽しかったです。

三蔵あることで多様なお酒が呑めるのですから、実にありがたいことです。

この先、塩の道歩きでも大町三蔵のいろいろなお酒に出会うのが楽しみです。

 

蛇足ですが、蔵巡りの途中でお酒を飲んだわけではありません。また、この日に3本飲んだわけでもありません。

家に持ち帰ってから、一晩に1本ずつ、三晩に分け、ちゃんと休肝日も挟んで飲みました。誤解のありませんように…。